昨年初めて梅干しを作りました。

週一の宅配で、注文した覚えのない梅が届いたのです。
連絡を入れて引き取ってもらおうと思いましたが、引き取られた後の梅がどうなるのか気になりました。
大粒できれいな梅だったので、廃棄されたらもったいない!と思ったのです。
わが家に来たのも何かのご縁、と梅干を作ることにしました。
(この梅の件を懇意にしているスピリチュアリストの先生に話したら、『それは~、あの神さましかいないでしょ』とけらけら笑われました。私は太宰府天満宮が大好きで、暇があれば道真公にお参りしていたことをよく話題にしていたのです🙂)

さて、人生初の梅干し作りです。
梅干しは一度漬けたら、三年続けないといけない、悪いことが起きる、という言い伝えが気になり、続ける自信がなくて手を出さずにいました。
やってみたら、「え?」というくらい簡単でした。
まぁ、仕込んだ量が少なかったからですが。
計量した梅と塩をジッパー付きの袋に入れてできるだけ空気を抜き、冷蔵庫の野菜室に置きました。
一日一回天地を返して時がたつのを待つだけ。
梅雨が明けたら、三日間干して出来上がりです。
三年続けるには簡単に。
そのために、あえて赤紫蘇を使わず白梅干しにしました。

というわけで、今年も梅を漬けました。
梅雨が明けたので、晴天が続きそうな日をねらって干しました。

二日間干した梅です。
白梅干しですが、白いわけではないです(笑)。

三日間干しました、完成~。
干すことで色や質感が変わるのが目に見えます。
…でも、昨年の梅の方が柔らかそう。
そういえば、昨年の梅は仕込みの時に今年の梅より熟していた気がします。
💡そのことに気づいた時、「三年続ける」の意味がわかりました。
三年(三回)やってみることで、方法や技術が確実に身につくよ、ということなのだと。
悪いことが起きるわけでも、縁起が悪いわけでもない、と。
昨年は、おそるおそる、一つ一つの工程を丁寧に仕込みました。
たまたま、ビギナーズラックでうまくいきました(道真公のご加護?笑)。
二年目の今年は、「たしか、こんな感じ~」とちょっと脱力で仕込みました。
昨年うまくいったから今年もうまくいくはずという、根拠のない自信があったので。
しかし、梅の熟し加減の差が梅干しに出ました。
なるほど、これを踏まえ、来年の三回目はかなりいい感じでできるのでしょう。

「三年続ける」の意味がわかった時、以前講演会で聞いた話を思い出しました。
小澤俊夫先生の昔ばなしに関する講演会でした。
小澤俊夫先生は、ドイツのメルヒェンの研究者ですが、日本の昔話にも大変お詳しく、「小澤昔ばなし研究所」を設立運営されています。
(ちなみに、世界的に有名な指揮者小澤征爾さんのお兄さんで、ミュージシャン小沢健二さんのお父さんでもあります。)
その講演会で、「昔ばなしには三人兄弟が出てきて、上の二人は失敗するが三番目の末っ子が成功するはなしが多い。なぜだと思いますか?」と小澤先生が言われました。
たしかに、外国でも日本でも昔ばなしでは三番目が活躍する話が多いと感じていました。
例えば「さんびきのこぶた」、「もりのいえ」。
日本では「やまなしもぎ」(これはわが家の末っ子が大好きだったおはなしです😊)。
古事記をベースにした「いなばのしろうさぎ」も末っ子の大国主命が活躍するおはなしだったような気がします。
わが家の三人きょうだいを見ていたので、甘えん坊で人任せの末っ子に自信をつけさせるため、そういう流れの話にしているのでは?と思っていました。
小澤先生によれば、
はなしのなかではきょうだいとして表現しているけれども、これはひとりの人生において二回失敗しても三回すればいい、三回目は成功する、ということ。人生訓なんですよ、
と。
目からウロコがぽろりと落ち、すごく納得しました。
と同時に、わが子たちに一回目で成功することを求めていたような自分を反省しました。
「失敗しない」や「効率よく」を求められている時代でもあるような気がします…。
子育てが一段落した今は、もっとゆっくりじっくり成長していいんじゃない、むしろ失敗って大事だよ、と思うようになりました。
失敗や無駄を許してくれる世の中になればいいのになぁ、と。
最近の世の中の許容範囲の狭さには心が痛むことが多々あります。
私も世の中の人なので、気をつけよう。

三回繰り返す、には他にもいろいろな意味や理由があるそうです。
子どもはくり返しが好き、くり返しのあるお話はリズムがよい、子どもが安心する、とか。
末っ子自信説もあながち間違いではないようです。
昔ばなしには三回同じようなことをするパターンも多いのだとか。
たしかに、「三枚のおふだ」はそうですね。
「しらゆきひめ」も三回おなじことをされているし。
個人的には「みっつのねがい」みたいなおはなしが好き。

梅干しからずいぶん話がそれました。
三年目になる来年の梅干しは最高傑作になることでしょう(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました。