毎年、この時期になると実家にいた頃を思い出します。
私の実家のあたりでは、年末年始よりお盆の方が帰省する人が多くにぎやかでした。
なので、私の住んでいた自治体の成人式は夏でした(田舎であることの証明ですね😅)。
現在は市町村合併したこともあり、普通に1月の成人式になりましたが。
お盆には親戚がお仏壇を拝みに来ます。
もちろん、わが家からも親戚宅に伺います。
結婚して他県に住み、親戚がお仏壇に拝みに来るのは初盆だけと聞いて、毎年伺うのは地方ルールだった⁈と知りました。
8月12日頃に故人の霊と親戚をお迎えするため、お仏壇の準備をします。
盆提灯や燈籠、普段は使っていない大きめの花瓶…。
どこに片づけたかしら…?
この場所に飾るんだっけ?
あーだこーだと人が行き来しながら一家総出で、お盆準備。
大人はため息交じりでしたが、子どもの私はこれが結構好きでした。
小さい頃は手伝っているのか、大人の手間を増やしているのか(笑)。
中学生くらいになると花活けを任されていました。
母が菊やりんどうを買ってきますが、庭に咲いているグラジオラスや山百合を切って増量します。
華道をちょこっとだけかじった母から、『花には(きれいに見える)向きがあるから、活けた時の見え方も考えてね』と、教えてもらいました。
いつもお仏壇にある花立と大きめの花瓶と。
花でいっぱいになり、果物や盆菓子が供えられたお仏壇。
燈籠の電源を入れて、華やかな色がくるくる回りだすと嬉しくて仕方ありませんでした。
お盆の別の楽しみはいとこ達に会えることでした。
私の父が長男できょうだいが多かったこともあり、私の実家におじ・おばとその子どもたちが集まるのです。
みんなでお墓参りをして家に戻り、迎え火を焚くと子どもたちは花火タイムの始まりです。
お盆の花火は、セットではなくバラ売りのお店に連れて行ってもらい、『一人〇円までよ~』と、好きなものを悩みながら選びます。
(選んでいる間、大人は別の店で買い物をしています。)
火薬のにおい。
シューッ、パチパチという音。
花火に寄ってくる虫。
地面に置いて高く火花が上がる吹上花火に火をつけられるのは、子どもの中でも年長者。
私も初めて吹上花火に火をつけた時は、ちょっとハナタカでした👺
父が庭にキャンプファイヤーのように木を組んで積み上げ、焚火をしました。
迎え火…?とは違う気がするけれど😅
当時の岩手では、お盆の頃は夜になると肌寒くなるくらい気温が下がったので、焚火が嬉しかった気がします。
子どもたちは、お仏壇を拝みに来た、つながりがよくわからない親戚の方々からお小遣いをもらいます。
『花火でも買ってね』、と。
よく知らないお盆に来る人からお金をいただいていいのか?と、思いつつ、これがなかなかの臨時収入でした。
夏のお年玉?
これも地方独特の風習だったようです。
(ちなみに、冬の本来のお年玉も頂戴します。もらうほうは嬉しいけれどあげるほうは大変だ🤣)
先日、郵便局で『おぼんだま』と書かれた可愛いのし袋が売られているのを見ました。
全国的な風習になったのかしら?
母方の祖父が住職をしていたので、お寺にある祖父のお墓参りも思い出の一つです。
母方のおじ・おば、そしていとこ達が集まります。
母もきょうだいが多かったので、お墓参りとは言いながらかなりにぎやかな雰囲気でした。
お寺は山の中の小さな集落にあります。
ある時、叔母の一人が境内で蛇を素手で捕まえ『ほら、持ってみて』、と。
蛇を、
素手で、
持て、と⁈
チャレンジするいとこは一人もおらず、もちろん私も持てるはずはなく…。
お茶目でワイルドな(?)叔母はケタケタと笑っていました。
本堂に上がると、よく兄が眺めていたのが極楽と地獄の絵。
私も真似して眺めましたが、小さい頃は本当に怖かった😅
嘘はつくまい、悪いことはするまい…と真剣に思いました。
このお寺には岩手県指定文化財の仏像があります。
母の話によれば、廃仏毀釈運動の時に山に隠し、半分土に埋まっていたものを祖父が見つけてこのお寺に安置したとか…。
小さい頃からよく見ていたこの仏像は、虫害で元の形がわからないものもありますが、私の仏像好きの原点です。
前に、とある方が『お寺も線香のにおいも大っ嫌い‼」と話していました。
その方は、早くに親御さんを亡くされたので、お寺や線香が哀しい思いや辛い思いとつながるのだと思います。
私は逆にお寺に楽しい思い出しかないのでこれを聞いて驚きました。
しかし、お寺は大半の方にとっては誰かが亡くなった時だけ行く場所。
そこに住んでいた母にとって普通の場所だし、私にとっても悲しみとつながる場所ではなかったけれど、この感覚が他の方にも当たり前ではなかったことに気づきました。
でも、にぎやかにしている私たちのお参りを、祖父は嬉しく感じていたと思いたい。
今年もお盆の時期が来ました。
この季節になると思い出すことをあれこれ書いてみました。
(※今回の写真は私の撮ったものではなく、フリー画像を使用しています。)
最後までお読みいただきありがとうございました。