県をまたいでの移動制限が解除されました。
さっそく、実家へ帰省した方や観光地に出かけた方をニュースで見ました。
不安が消えたわけではなく、気を配り、探りながら新型コロナウイルスのある世界を生きていくのだなぁと感じました。

非常事態宣言下で『ステイホーム』が合言葉になり、GWは自粛生活でした。
おうちでできる楽しいことがいろいろたくさん投稿されてたみたいですね。
その発想・創造力・実行力はすごいなぁと見ていましたが、ある小説を思い出しました。
以下、記憶を頼りにあらすじです。
細かいところは多少違うかも…。

ある会社で社員を募集し、優秀な人材を集めました。
その社員たちは、あるプロジェクトを達成するためリゾート地で生活するよう命令されます。
お金も物も欲しいだけ手に入り、与えられた任務は「生産的なことは何もするな」。
何不自由ない生活ですが彼らは次第に退屈を感じるようになります。
そして彼らは、今までにない、誰も知らない新しいゲームを作り出したのです。
そこで彼らの任務は完了。会社はそのゲームを新商品として売り出し大ヒットしたのでした。

私のまとめたあらすじは、なんだか薄っぺらいぞ(笑)。
これは、ショートショートの名手、星新一の小説です。
中高生の頃、星新一にはまり兄の書棚にある文庫本を片端から読んでいました。
たくさんある作品の中でも、なぜかこの作品の印象は強烈です。
創造力はゆとりの中から生まれる…という感覚が私の中に残り、自粛生活下の♯おうち時間が重なりました。
創造力は特別な人だけが持っているわけではない、とも思いました。

調べてみたら、この小説は『盗賊会社』(新潮社、1985)に収録されている「あるエリートたち」というタイトルのようです。
今、星新一は再編されて児童向けにもなっています。そうだよね、面白いもん。
短編が多いので、すぐ読めるのも魅力です(なにしろ私は、長編推理小説の途中で結末が気になってたまらなくなり、ラストの3ページくらいを読んでまた戻るという邪道読みをするので、結論が早いのは嬉しい)。

私のプレイスポット(笑)は図書館と本屋なのですが、我が子たちと一緒に行った図書館で、星新一の小説が子ども向けの絵本になっているのを見つけ、「おぉ!」と感激したこともあります。
和田誠さんの絵が素敵な、「はなとひみつ」(フレーベル館、2009)という絵本です。
優しくて可愛いらしくて、星新一らしい科学要素も盛り込まれたおはなしです。

あれこれ思い出していたら、星新一を読み直したくなりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。