三輪山登拝で身も心も軽くなり次の目的地に向かいました(三輪山登拝はこちらをご覧ください→https://bukulvsorakumo.com/2nd-naramiwasan)。
奈良県桜井市にある安倍文殊院です。
参拝時にいただいたパンフレットによりますと、

孝徳天皇の勅願によって大化改新の時に、左大臣となった安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が安倍一族の氏寺として建立した「安倍山崇敬寺」(安倍寺)が、鎌倉時代に現在の安倍文殊院の土地に移転し、日本三文殊の第一霊場として現在も人々の信仰を集める祈祷寺
なのだそうです。

桜井駅から徒歩約二十分…。
三輪山で身も心も軽くなりましたが、歩きたい距離ではなかったので調べてみると、ちょうどいいタイミングでコミュニティバスがあるようです。
乗り場(と思われる場所)で待っていました。
待っている間に本当にここでいいのか不安になり、南口→北口→南口と行ったり来たりしていたらバスは出ていました…。
『急いては事をしそんじる』、『短気は損気』とはこういうことを言うのでしょうか。
コミュニティバスはかなり本数が少なく、次のバスまで一時間半。
スマホの地図アプリを頼りに歩き始めました。
右に曲がったり左に曲がったり、あまりスマートな道筋を歩いていない気がします。
安倍文殊院の気配もありません。
地図アプリのナビ機能を使うとバッテリーの減りが早いのは知っていましたが、スマホの電源が落ちました。
慌ててモバイルバッテリーにつなぎ、たしかこっちの方…と歩き続けます。
バスに乗り損ねた自分と、事前に地図を確認しなかった自分の迂闊さを悔いる、というより笑いながら。
そういうわけで、『安倍文殊院』の看板を見つけた時は嬉しさもひとしおでした。

こちらは境内図です。
なかなか広いお寺です。
古墳もあるんですね。

本堂参拝は抹茶とお菓子付きで、ちょっと得した気分(笑)
七まいりは初めて聞きました。お札を納めながら回廊を七回まわり、七難を取り除いてから堂内に参拝し、福を得るのだそうです。

今回のお目当てはご本尊の文殊菩薩像です。
この菩薩像を始めて見たのは、国宝についてまとめられた書籍の表紙でした。
文珠菩薩を乗せている獅子に一目ぼれしてしまい、『いつか会えるといいなぁ』と思っていました。

本堂では団体参拝の方が説法を聞いていました。
その脇を通り、渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)の真正面に立ちました。
ご本尊のすぐそばでご祈祷を受けている方がいらっしゃいました。
知恵を授ける文殊菩薩は、合格祈願や学業成就、ぼけ封じのご利益があるようです。

写真禁止でしたので、こちらをご覧ください→https://www.abemonjuin.or.jp/treasure/
実物は圧倒されるような迫力があります。
文殊菩薩さまの凛々しく厳しく強い意志を秘めた表情。
四人の脇士の存在感。
童子の躍動感には若さが溢れています。
そして、獅子です。
彫刻の素晴らしさもさることながら、表情がとてもいいのです。
『俺に乗ってる菩薩さま、すごいんだぜ!すごい仕事のお手伝いしてるんだ!』と自慢しているようなドヤ顔が可愛いです。
ここまでたどり着けるか不安になったけど、来てよかったなぁと思いました。

こちらは抹茶とお干菓子です。
あん入り落雁には安倍晴明を連想させる五芒星が。
美味しくいただきました。

また雨が降りだしました。
三輪山登拝は本当にタイミングが良かった、とつくづく感じました。

こちらは晴明堂です。
安倍晴明が天体観測をしたという展望台もありました。
晴明堂にお参りした後、東古墳を覗いて帰路に着きました。

桜井駅に行くには東山門から出ればよさそうです。
歩いていたら高校生と遭遇しました。
近くにある高校の通学路のようです。
高校生についていけば駅に行けそうな気がします。
予感的中。行きの道は何だったのだろうというくらい、あっさり桜井駅に着きました。

奈良駅で荷物を回収し、わが子と待ち合わせの京都駅に向かいました。
奈良を去りがたい気持ちと満足感でいっぱいです。

わが子が予約してくれた京野菜料理のお店でエネルギーチャージ。
ひとり旅も残すところあと一日となりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。